不動産登記簿謄本を使った与信判断のポイント
- 所有不動産に担保設定がない会社は優良企業であり、通例では取引は安全であると判断できるでしょう。(しかし、一行取引で不動産の権利書などをその銀行に供託して乙区空白の会社もありますので注意は必要です)
- 借入金の金利が同時期に借り入れを行っている他の会社より高利率の会社は、経営内容が良いとはいえないでしょう。(反対に金利が低利率の会社は経営内容の良い会社が多いといえるでしょう)
- 担保設定の合計金額が時価の60%~70%以内に収まっていれば、当面は安全圏にある会社と判断しても良いでしょう。
- 商取引企業(仕入先)から担保設定がみられる場合、担保提供を行っている企業とどの時点で設定したかという点に注意する必要があります。(取引開始後、何年も経過している時点での担保提供がなされている場合、その会社との取引において支払渋滞・手形サイトの長期化・手形ジャンプなどが発生している場合がほとんどです)
- 担保設定に経営者の友人・知人などが多く見受けられる場合、一般金融機関の融資だけでは追いつかず、経営状況はかなり悪化しているものと思われます。
- 担保設定状況を見て不審を感じた場合には、共同担保目録に記載されている関連の全不動産の謄本も取り寄せてみましょう。(新たな担保設定を発見したり、新しい用地購入計画を発見したりすることもあります)
- 経営内容が良い企業の担保設定はすっきりしたものになっているでしょう。
- 主要取引先や多少の不安の残る取引先の担保設定の確認は、半年に1度は定期的に行っていきましょう。
金融機関は当該不動産の時価の60%~70%を限度に融資を行っています。そもそも担保というものは、万一融資した企業が倒産してその不動産を競売にかけた場合に貸付金の全額回収をねらうものです。通常、よほどの信用がなければ70%をこえる担保設定は行わないものです。
仮に抵当権が過去に続けて設定された記載があったとしても、その後の追加がまったくなされていない場合、その後の借り増しの必要がなかった企業であり、不動産の含みがあればかなりの資金調達力を持った企業といえるでしょう。
逆に担保設定が毎年のように追加されている企業に関しては、その企業の売上の増減と回収条件のズレなどに注意する必要があり、決算書を入手して回収条件と支払条件の分析を行いましょう。
ただし、設備投資の有無にも配慮が必要であり、担保設定の面からだけは結論がだせないことも多々あります。特に本社所在地不動産と社長の自宅不動産の担保設定の確認は必須確認事項になります。

